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10年以上運営している事業用のウェブサイトをお持ちの方へ
もし、サイトを作ってからまだ1回も建て直し(再構築)していないのであれば、
予算に組み込んで建て直しを計画すべき時期にきています。
10年も前に作られたサイトは、十分なセキュリティ対策がされていないことが多く、
たまたま運よく被害に遭わずに今までサイトを失わずに済んだだけかもしれません。
セキュリティ事故でサイトを捨てることになった事例
筆者のクライアントで、せっかく作った事業サイトが何もセキュリティ対策をしておらず、
改ざんの被害に遭ってスパム行為の踏み台に使われてしまい、
サーバー会社からサーバーを強制停止させられた方がいらっしゃいます。
そのサイトはインターネットのブラックリストに掲載されてしまったため、
ウィルス対策ソフトが入ったパソコンやスマホからは一切見ることができなくなりました。
事実上、サイトが消えたのと同じ状態になったのです。
その方は、ウェブデザイナーやプログラマーの手を借りて復旧を試みたものの、
ブラックリストからなかなか消えなかったので、
結局サーバーもドメインも捨てることにしました。
そして、新しいサーバーを契約して、ドメインも新しく購入して、
そこにサイトをコピーして運営を再開することを選ばれました。
セキュリティ事故で失ったもの
その方が失ったものは大きいです。
たとえば・・・
数年分のドメインパワーがゼロになった!
同じドメインで長くサイトを運営していくと、年数が長くなればなるほど「老舗」としての拍(はく)がついて、
ヤフー検索やグーグル検索で有利に働く要素になります。
なぜかというと、長く続いているサイトということは、それだけ長くユーザーから指示され続けているのだから、
ユーザーにとって有益なサイトだとヤフーやグーグルは判断するようになるからです。
勘違いしてほしくないのは、同じサイトならOKというわけではないということです。
内容が同じでも、ドメインを変えてしまったらまたゼロからやり直しなのです。
ヤフーやグーグルにとってみれば、ドメインが違ったら別のサイトに見えるからです。
サイトのリピーターを一瞬で失った!
ドメインを変えるとサイトのアドレス(URL)も変わります。
すると、今までにサイトにきてくれたユーザーがブックマーク(お気に入り)からサイトを開こうとしても
リンク切れになってしまうので、二度と来てもらえなくなってしまいます。
商売でいうと、大事なリピート客を一瞬で失ったことと同じです。
この被害をお金に換算するといったいいくらになるか考えたことがありますか?
「サーバー変えたらそれで大丈夫なんじゃないの?」
なんて甘いことを言っている方は、考え方を改めてください。
サーバーの引っ越しやサイトの移転費用がかかった!
そもそもセキュリティ事故がなければサーバーを新しく契約するお金も、
サイトを移転する作業をプロに依頼するお金も払う必要がなかったはずです。
失う必要のないお金を、自ら捨てたのと同じことなのです。
これがどれほどもったいないことか想像してみてください。
あなたは財布の1万円札を自分の手で破り捨てることができますか?
それと全く同じことをやってしまったのです。
家電製品と同じでウェブサイトにも寿命があります
よく冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどの家電製品はせいぜい長くて10年が寿命と言われます。
これは紛れもない事実で、著者の家庭でも10年前に買った洗濯機と冷蔵庫が立て続けに故障し、
大急ぎで買い換えました。
「もう10年も使ったから、早かれ遅かれ買い替える時期がきてたのかもね・・・」
夫婦でそんな会話をしました。
ウェブサイトも同じなんです。
10年も続いているサイトは事業として大事な役目を果たしているのではありませんか?
そんな大事なサイトだからこそ、本来なら毎月1回は保守点検をしなければなりません。
ワードプレスなら、テーマやプラグインの新しいバージョンが登場しているので、
自分でバージョンアップの作業をしてサイトを常に最新の状態に保つことが必要です。
サイトの保守点検をしないとどうなるのか?
保守点検をせずにサイトを運営するということは、
人間の生活にたとえると何年も水を変えていないお風呂に入っているのと同じです。
いつ何の病気になってもおかしくないわけです。
もっと言いましょうか。
トイレに行っても手を洗わないのと同じ
不潔極まりないですよね。
このサイトの運営者(運営会社)はエチケットや礼儀というものを知らない人たちなのかと思われます。
朝起きても顔を洗わないのと同じ
だらしがないですよね。
このサイトの運営者(運営会社)はそんなスタンスでお客さんと接しているのかと思われます。
ゴミがたまっても捨てないのと同じ
サイト運営者(運営会社)のモラルが疑われます。
まとめ
10年運営してきたサイトは建て直し(再構築)を計画しましょう。
「すぐにそんなお金ない!」
という声が聞こえてきそうですが、何も備えていなければそれは当然です。
サイトを長持ちさせる気がある事業者は、
年間の事業予算にウェブサイトの保守メンテナンス費用を組み込みます。
そして、少なくとも10年に一回は建て直し(再構築)を視野に入れます。
いずれは必要になる経費なのですから。
リピート客の喪失やサービスレベルの低下による多額の損害を未然に防ぎたいなら
せめて定期的な保守点検をサイトの運用サイクルに組み込むことを検討してください。