ワードプレスならプラグインが使えるのでラクだと
思われがちな一括置換の作業。
ホントにそうでしょうか?
プラグインを使えば
いつだってやりたいことが100%叶う
わけではありません。
たとえば電話番号が
99-999-9999 から 88-888-8888 に変わったので
サイトの記載箇所をすべて変更したいという
場合を考えてみてください。
「99-999-9999」で一括検索をして、
見つかった箇所を「88-888-8888」に
一括変換すれば終わりでしょうか?
いいえ、そうとは限りません。
そのやり方だと、999999999 のように
ハイフンをつけずに記載している箇所は
ヒットしないので変更されませんし、
999ー999ー9999 のようにハイフンが全角で
書いてある箇所や、999-999-9999 のように
ハイフンが全角のマイナス記号の箇所なども
ヒットしません。
「日常の感覚で見たら同じ意味」
の書き方だとしても、
「コンピューターにとってみれば全く別モノ」
なのです。
だってコンピューターの中では数字も文字も全てが
0 と 1 の2進数で管理されているわけですからね。
映画「マトリクス」の世界ですよ。
半角の – と 全角の ― は別モノなのです。
だから当然、どちらで一括検索するかによっては
ヒットしないわけです。
そういう意味で、
「プラグイン使えばいいじゃん」的な楽観論は、
実作業をする立場から見ると
「ホントにそうですか?」
「そうあってほしいという願望で言ってるでしょ?」
と思うわけです。
こうすりゃいいじゃん的な発想は、
大筋では合っていることが多いのですが、
実作業ベースでは例外がたくさんあるから
当てはまらないことが多いのです。
ーーーーー
話がそれましたが、じゃあ私ならどうするか?
「ハイフンの書き方に関係なく確実にヒットするのは何か?」
と考えます。
すると、電話番号が 99-999-9999 ならば
一番後ろの4桁部分を
1、半角の 9999 で一括検索
2、全角の9999で一括検索
この2通りで一括検索します。
そしてヒットした箇所を一度目で全部見ます。
全部ですよ?
検索結果が100件と表示されたのを見て
「ああ100箇所もあったのね。ふ~ん」
で済ますのではなく、
きちんと100箇所全部を自分の目で見ます。
そうすると、
99-999-9999
99 ー 999 – 9999
99-999ー9999
9999999999
とか、いろんな書き方をしてある箇所があるのだと
はじめて気づくわけです。
高をくくらずに、
「期待していたほど実際は簡単ではない」
ということを肝に銘じていないと、
気づけないと思います。
まず1の場合ですが、100箇所ヒットしたとして、
重複を除いたパターンをピックアップします。
99-999-9999
99 ー 999 – 9999
99-999ー9999
9999999999
のような、いくつかのパターンがヒットするでしょう。
それらのパターンをテキストエディターにコピーして、
99-999-9999 を 88-888-8888 に一括置換
99 ー 999 – 9999 を 88-888-8888 に一括置換
99-999ー9999 を 88-888-8888 に一括置換
9999999999 を 88-888-8888 に一括置換
します。
こうすれば1のパターンは確実に置き換わります。
2の場合についても、100箇所ヒットしたとして、
重複を除いたパターンをピックアップします。
99-999-9999
99 ー 999 – 9999
99-999ー9999
9999999999
のような、いくつかのパターンがヒットするでしょう。
半角の9と全角の9が混ざっていたり、
半角のハイフンと全角のマイナス記号が
混じっていたり、
それはもう、いろんな組み合わせが考えられるので、
思ってもいなかったパターンがヒットするでしょう。
で、これも全て
99-999-9999 を 88-888-8888 に一括置換
99 ー 999 – 9999 を 88-888-8888 に一括置換
99-999ー9999 を 88-888-8888 に一括置換
9999999999 を 88-888-8888 に一括置換
します。
こうすれば2のパターンは確実に置き換わります。
ここまで細かくパターンを分けて、
何度も一括検索と一括置換を繰り返してはじめて
「確実に全ての電話番号を書き変えること」
が完了します。
逆に言うと、そこまでしないと絶対どこかに
漏れが出ます。
だって自分が期待するほど安易で楽に
物事ができているなんて都合のいい事例なんて
実際は少ないのですから。
だから上記のように、想像を「想定外の範囲」
にまで広げて、絶対に漏れがない手順を考え、
それを確実に実行するのです。
正確で信頼できる仕事をしようと思うと、
自然とそういう発想になります。